『Baskets かごの謎とき』

いろいろな造形の知恵を紹介するページです。
かごには表面上は見えてこないことが多くあります。たとえ作っている所を見なくても、だいたいプロセスを逆にたどることができます。 作った人がどういう問題に直面したか、またその解決方法や立体になった時に起こったことなど、作る過程の背景を考えてみるのも 面白いことでは、と思います。一つの事例からさまざまな造形方法が誕生し、別の真実に近づくことができたり、あるいは他の方法を知ることになったり、 と次々に興味がつながります。この体験こそが、技術の新たな解釈へと展開する機会にもなると思います。

■自由な組み目の方向

プレイティング/plaiting2

 

  


写真はマダガスカルのかごで、正面が側面、下が底です。3本ずつ上下する組み方が基本になっています。日本でもよく作られる網代・あじろの組織です。よく見ると、組織の目の方向が中央で変わっているのがわかります。
このような組み目の方向を変えても、組織の伸びが相殺されるのは確かですが、かごの機能としてみると同じ方向の組み方でも可能です。
平面から立体にするために角を作るのですが、網代の場合は側面の目を揃えるため特別な操作が必要になります。角だけでもややこしいのに、途中で組み目の方向を変えるというのはチャレンジともいえる操作です。
ですが、組み目が変わっている中央を見ると、材を越える本数を少なくしている箇所があるのがわかります。このテクニックさえ知っていれば方向を変えることができるのです。