ヤシ科~植物以外の素材
扇状、羽状の葉をそのまま利用して容器を作ったり、葉軸やその周りの繊維、根などを使う。
クロツグ:
生育地:東南アジア、日本では西表など。葉は羽状。幹の周りの繊維を縄にした。硬い繊維なので箒、束子にも。葉をかごに利用。葉柄を割いてかごを作るものがある。
■書籍資料:西表島手わざ帖①「アダン・マーニー」では、幹の周りの繊維を縄に、葉をかごに、葉柄を割いて巻き上げのかごの材料にするとある。この資料にはArenga ryukyuensis A.Hendersonとある。
同じ属のA. gumati, A. pinnalaの繊維も高温に耐え、洗浄用床ブラシなどに使われる。
生育地:インドなど。葉の根本の固く黒っぽい繊維をブラシやロープ、ケーブルなどに使う。ココヤシのそれよりは丈夫で安価とされる。インドで繊維はEjooと呼ばれる。
南米。葉からの繊維を使っていろいろな物を作る。
生育地:南米。葉でかごなどを編む。
■資料:Containing tradition, embracing change, weaving together plant materials in Norther latin America パナマ、コロンビアでchungaと呼ばれコイリングのかごを、パナマのサンタフェで、帽子が作られるとある。
■資料:Management of Astrocaryum standleynum for Handicraft Production in Colombia
コロンビアのWounaan族がまだ開かない葉を裂いて、上側の繊維だけを使ってコイリングの巻き材にする。この使い方は、葉全体を使う他の方法とは違うと資料は述べている。
生育地:南米。羽状の葉、毛(根本の繊維)を箒につかう。
African fan palm, 生育地:アフリカ。扇状の葉やまだ開いていない葉、根本の繊維、葉柄、幹などすべてを利用する。
生育地:東アジア、ニューギニア。パルミラヤシ、ファン ツリー、ロンタルヤシと呼ばれる。
葉、まだ開いていない葉、根本の繊維、葉柄、幹から繊維をとり、編み組みに使う。
葉柄からとった繊維はパルミラファイバーと呼ぶ。葉:柄杓、繊維:楽器(ササンデュ)の弦(チモール)
扇状の葉が大きく、途中まで裂けないでつながっているのを利用してかごなどの容器を作る。
まだ緑になっていない若い葉をとり、乾燥させる。白っぽい葉になり、割いてかごの材料にする。これを染めていろいろな色にする。乾燥の方法で茶色の色も自然に得ることが出来る。葉は5mmぐらいの幅に割いて使う。(事例:南インド、組みのかご、2004年8月平塚市美術館のかご展にて展示・デモンストレーション)
バリでは葉の上に文字などを刻み、出来事や物語を記録し本のように使った。
トウ、ベニトウなど。
アジア、アフリカ、オーストラリアの熱帯、亜熱帯に分布。370種、そのほかにもあるが、それぞれ柔軟性や太さ、裂ける性質が違うため、目的にあった使い方をする。編む材として品質のいい材料を取る種はわずか。例えばCalmus usitatusなど。
するどい外側の皮や棘をとり、ツルをそのままロープのように使ったり、そのままか、割って縄にしてより強固な道具にする。柔軟な性質のものはそのまま、家具のフレームにしたり、または割って細い素材に加工する。
■資料:サラワクの背負いかご(籐を割った材で組む。)
オーストラリア北東部のアボリジニがこのツルを割いて材をとり、かごや矢などを作る。彼らが作るかごで有名なのがbi-cornual basket。
アジアに生育。良質な材で、家具などのフレームやかごを作る。ツルを縦に割いて中にあるスポンジ質を取って使う。
豊島区伝統工芸保存会の事務局次長をやっておられる籐工芸おざきの尾崎さんの工房では、トウで作られた椅子、かご類などいろいろな物を作っておられます。昔、よくお風呂屋さんで見た脱衣かごもその一つです。材料は輸入したものを厳選し、いいものだけをより分けて使います。最初は底の中心から編み始めますが、トウの弾力が強いので、底の編み始めに足を置いて上に乗り、周りながら、かごを編んでいきます。
オカメザサのかごと同じ作り方ですが、材料のトウが太いので相当力でコントロールされていることと思います。30分ぐらいあれば、底編みから側面の仕上げが完了します。側面はタテ材を組んで引っ張って形を整えますが、これも大変な作業。均等な形になるのには熟練が必要です。見かけは、お風呂やさんのものと比べて口が小さいのですが、実は同じもの。お風呂屋さんだとお客さんが中にごみが入っていないかと思い、かごを逆さにしてこんこんとゴミを落とすので徐々に縁が広がるようです。
生育地:南米。扇状の葉。かご、マット、箱類にする。若いまだ開いていない葉を採取し、開いて裂き、煮て柔らかく細いテープ状の素材をとり、エクアドルなどで、パナマハットを作る。
■動画資料:Panama Hat:A film by Omar Burneo
生息地:中国南部。葉の根本から繊維をとった。詳細は未定(2019.7)
■ウエブ資料:Fiber yielding plants of India:インドの例で葉を屋根材や帽子などを編む。葉の根本の黒い繊維でロープを作る。
■ウエブ資料:The Kitul Palm:Ethnobotany of Caryouta urens L. in highland Sri Lanka by Yvonne Everettでは、スリランカでの利用について書かれている。葉を屋根材に、1mの長さの繊維の丈夫な根本の黒い繊維でロープを作るとある。
生育地:地中海地方。Dwarf fan palmとも呼ぶ。扇状の葉を使ってかごを作る。葉を割いて帯状に編み、縫い繋いでいくバッグ類が有名。
熱帯全域に生育。すべての部位を利用する。殻からcoirと呼ばれる繊維をとる。殻の成長、乾燥具合から二種類の繊維がとれ、一方は柔らかく編組品、ほくちに、一方は硬いが丈夫なので、ロープ、マットを作る。
羽状の葉:葉柄ごと屋根を葺く材料に。葉はかご、帽子、などを作る。また葉肋を半分に割いて、そのまま葉をつけたままで、即席のかご、帽子などを編む。食料の他、油もとる。
■食料としての情報:書籍「吉田よし子著 香辛料の民族学、中公新書」
■かごのみならず、葉で筏を作る:ビデオMikronesier Bau eines Flobhootes(エンサイクロペディア シネマトグラフィカ)
■繊維でオリーブオイルを絞る時のフィルターを作る。https://www.growables.org/information/TropicalFruit/OliveExtraction.htm
■分布、生育について:Jaicaf アフリカの繊維植物とその利用、P119
ココヤシの葉を組んだ帽子ですが、巧妙ともいえる構造になっています。ココヤシの葉は、すごく大きいのですが、その葉柄を縦半分に割って、片方だけ使っています。葉柄に葉はついたままです。そのまま葉を組んでいます。 巧妙といったのは、そのプロセスや組み終わりのしまつ、葉柄の位置で、頭の額を周る部分になります。 組むプロセスが面白いです。まずブリムを組んで、戻るようにしてトップを組んでまた端に返ります。長い葉が十分活かせます。
資料:ウキペディア:キューバに自生。扇状の葉を屋根材やかごに、葉の根本の繊維を利用するとある。
東アジア、オーストラリアなどに生育。扇状の葉。Corypha utan, Corypha umbraculifera など。葉などでマットやかごを作る。Corypha utanの葉柄からの繊維はbuntalと呼ばれる。
参考:インドネシアなどで製造されるイカット、薄くした葉を巻いて防染するのに使われる。以前にもらったことがあるが、たいへん薄く、葉からはがしたクチクラに思えた。
生育地:西から中央アフリカ。羽状の葉。いろいろなことに利用されるアフリカの重要な有用植物。若い葉はかごを作る材料になる。組みのような織り編みのような特殊な方法で編む。(南アフリカ ギニア、資料:エンサイクロペディア シネマト グラフィカの中に収録されている)また、細く割いて縄をなう。柄もかごのタテ芯になる他、箒などを作る。エチオピアでも利用する。
生育地:アフリカ、羽状の葉。幹から繊維をとる。
アフリカの南部などに生育。扇状の葉。イララパーム、イラパームなどと呼ばれる。食用の他、葉を屋根材、かご、マットなどを編む。
若い柔軟な葉を採取、天日で乾燥させて白い葉にする。それを植物で染める。
■使用例:Zuluの巻き上げのかご、もじり編みのかご。捩り編みのかごはもともと箕であるがパターンがすばらしい。特に細かく編まれたかごにはビールなどの液体を入れる。
■資料YOUTUBE(2019.1.13):Weaving with ilala
扇状の葉を編む材に使う。エジプトの巻き上げのかご、西アフリカのかごなど。
生育地:南米。メゾアメリカの人々にとって欠かせないマット、petateの素材。
ただし、このpetateの素材には他にもガマ科、イネ科の素材が使われる。
■Wikipedia "petate"
東アジア、日本では九州以南、沖縄などに生育。地域ではクバと呼ばれる。(Livistona chinensis)
扇状の葉:そのままの形を利用して作る柄杓、はえたたき、うちわ、つるべ、鍋、笠を作る。
葉を組んで玩具、かごなどを作る。
写真は沖縄で撮影したものだが、樹木は低かった。
棕櫚のような葉を付けるが、葉一枚ずつは軸中央付近では裂けていないので、そのままの形を利用していろいろな物を作ることができる。
葉の広い面積を利用して、扇、団扇、笠、ひしゃくなどが作られているのを見た。写真は葉を乾燥した所。これからクバオウギを作っていた。耐水でもあるのか、丈夫である。葉で作ったお鍋も利用されていたようだ。
葉を裂いた材を編んで草履を作る。主要な繊維植物だから、おそらくいろいろな物に利用されたに違いない。
クバの葉を組んで作るハブの形の玩具は有名。
葉の真ん中の軸:何本かを一緒に編む。縁はたいてい、日本のオカメザサのかごのように中心へとユーターンしている。(事例:フィリッピン)
南米、ブラジルなど。扇状の葉。若い葉の繊維を使う。Buriti fiberと呼ばれる。
■資料:YouTube:Extracting Buriti Fiber from Miriti Palm
(サゴは数種のヤシの総称。)食品(幹の中から澱粉を抽出する。)羽状の葉で屋根を葺いたり、バッグかご、笠、縄、蓑、ロープを作る。葉は食品を包むのにも使われる。皮も利用される。幹を削ってアズマットが彫刻を作る。
生育地:東アジア。羽状葉、葉柄を使う。葉は屋根材に、かご、帽子を編む
ティグリス、ユーフラティス川流域原産葉と幹:建材など。羽状葉を使ってかご、敷物、履物を作る。
扇状の葉を組んでかごなどを作る。(ハワイ)
羽状の葉。ラフィア属の植物から繊維をとり、利用する。マダガスカル、ナイジェリアなど、アフリカの湿地帯、南アメリカに分布。 ラフィアはラフィアヤシ属の総称。大きく成長するものから、地面近くに葉柄が生えるものがる。 小葉の表皮や葉柄、葉を利用。:織物、かご、刺繍用の材料、建築材。
ラフィアと呼ばれる素材:若い葉の表皮の外側の膜、または葉柄を薄く剥いで乾燥して編み物の材料にする。
■編組例:ザイールのKuba族がラフィアでいろいろな手法を用いテキスタイルを作る。細い糸にした織物や、ラフィアの端を切ってフリンジのように出すものやアップリケなど、様々な手法が使われる。
■編組例:Dida族による絞りなどの染色を施したテキスタイルの中には、ラフィアを細く割いて束にし、それをさらに分けて、それぞれの束を斜めに組む方法がある。
■編組例:アフリカで葉柄をそのまま、または割って木材のように使う。ラフィアバンブーと呼ぶ。家具も作る。
■資料ビデオ、Daily motion:LA RECOLTE DU RAPHIA(収穫と膜をとる所が見られる。)
■編組例:ルワンダのかご、inkangara basket, igisake basketの素材の一部、その他の素材はパピルスの茎。
■資料:画像検索:Tutsi basket / igisake basket
他にも以下などがある。
マダガスカルが主な産地
西カメルーンで葉柄を割いて、外側の固い、内側の柔らかい材をとり、それぞれタテ、ヨコ材に使い分けてかごを編む。
■資料:Shuttle Spindle & 2003 by Dr. Caro Ventura
■資料:
The World of Crafts:
http://www.crafthistory.com/Baskets/Fonwouo/en.htm
生育地:南米。扇状の葉。まだ開いていない若い葉が一番柔らかい帽子などの編み材になる。他の葉は帽子、屋根材になる。
繊維:棕櫚ぼうき、縄、尾花ぼっち(山形県米沢地方の帽子)、編み袋、蓑
ワジュロ;Trachycarpaus fortunei H.wendl., トウジュロ;T.wagnerianus Becc.(トウジュロの学名にはT.fortuneiと同種という説もある。)
■資料:関口千鶴さんの作品:バスケタリー展ウエブサイト:http://basketry-exhibition.org/
★素材ノート★
これは園芸店に売っているシュロ縄。機械でなった縄なので均一で丈夫。
上の黒い色の縄は染色されたもの。茶色のは自然のままの色で、細いのと太いものがある。
編むのには、少々硬いが、水に浸けて柔らかくして編むこともできる。
一番下は京都で買ったシュロ縄で細いがきれいな縄。
三条大橋のたもとにあるお店で、縄の他、たわしや箒、各種ブラシなどシュロ製品の宝庫。
数種の仲間の木部、樹皮、靭皮、根を使う。木部からヘギ材を取る。
アメリカ西部に主に生育。北米インディアン。樹皮、内皮、根を使って容器、かごを作る。
温帯を中心に生育、かごの素材になる。園芸種も含まれ、いろいろな種類があり、色や性質も違う。枝、樹皮、根を使用。柔らかい枝であれば、丸のまま、シダレ性の種類もかごの素材にすることができる。外皮を剥いたり、そのまま外皮をつけたり、割って使うか、または辺材をとって使う。細い枝を割る方法は、2本か3本にするもので、3本に裂くと、より細い平らなヘギ材をとることができる。細い枝の木部からヘギ材をとる。日本でもかごの他、箱の類など、いろいろな物を作った主要な素材であった。
●編み組みの例:ヤナギの小枝:アメリカ先住民族のPomo族のコイリングのかごの芯材になる。芯材の数は1本、または3本。3本の芯材を用いたかごはびっちり編まれ、水を入れることもできる。水を入れたかごの中に焼いた石を入れ調理する。このほか、アメリカに移民した人達がかごを作った。
ヨーロッパではかごの主な素材である。ヤナギのかごを編む方法は素材の性質にあった技法が開発された。特に底や側面を別々に作るなどのイギリスやヨーロッパ各地のかごの構造、また、フランスのペリゴー地方のバスケットの編む方法は複雑なものである。このペリゴー地方のかごを編む方法がアフリカのかご技法にも繋がっていることをデンマークのかごの研究者、バスケットメーカーのEva Seidenfadenが指摘している。
■資料1:Salix diversity in Belgium and the Netherlands:the use of traditional basketry as a key factor by Arnout Zwaenepoel :この報告書によるとベルギー、オランダにもともとあったヤナギに加えて他の種類のSalixが19世紀に輸入された。その背景にはバスケットと樽づくりの素材としての需要があった。現在、それらの種類どうしで交配種が生き残り、分類や判別が難しいこと述べている。当時のヤナギの枝を使った産業が下火になり、素材だけが残ったのだろう。
■資料2:Change and Diversity within Traditional Cooperage Technology by Brad Loewen:ヨーロッパの19世紀までの樽の板を締める技術について。当時、樽の板を締めるのに、樹の枝を輪にした材を樽の外側に何個かはめ、継ぎ目をヤナギで巻いていたことがわかる。留めにヤナギを使う技術が新しい技術や素材に変化、ヤナギの産業にも影を落とす。2件の報告書ともウエブ出版があり、読むことができる。
イギリスに生育する自生の木の一つと呼ばれる。Cricket bat willowと呼ばれ、クリケットのバットを作が、かごにも使われる。例えば、Sussex trugの中の材。木部を薄くして何枚か並べてフレームで押さえる。フレームはsweet chestnut と言われるcastanea sativa。
かご細工用のコリヤナギは畑で栽培されている。かごや行李の素材にするためには、小枝をとるなどの手間がかかる。使われるのは皮を剥いた白い材。枝のまま編むか、木部を割いてヘギ材を作る。兵庫県豊岡市、中国、韓国。
編む技法としてはタテヨコ材で編む、もじり編み、このほか、タテにヤナギの枝を並べて麻紐を緯に入れて編む行李の方法がある。
この写真は2000年の夏、兵庫県豊岡付近で撮影。コリヤナギを植えた畑で、柳行李やかごを作る人が育てている。夏は始終出てくる枝を切り、倒れないよう、管理する一番忙しい季節。冬に採るが、その後、田んぼにさして冬越しさせ、春に芽が出た時に皮を剥いで乾燥させる。材料作りにも手間と時間がかかる。
柳行李の組織:
左の写真は組織。糸が出ているのは修復した糸の端。
縦方向にヤナギの外皮を剥いた材を並べて、1本おきのヤナギ材を
上下に折って開口を作る。同じ方法で、より細い材を編む弁当箱がある。この技術はヤナギの材の隙間を詰めるもの。もじり編みだと、必ずタテ材の間に隙間ができる。
資料:書籍「ものと人間の文化史67・箱」宮内悊 著。上記の方法で製作された正倉院宝物や技術の歴史、また異なる技術で製作された柳筥について詳く知ることができる。
生育地:ヨーロッパ、日本など
かごを編むのに適しているとされる。ただし地域によっては少なくなり、S.Triandraを使う。
枝が枝垂れるヤナギ。ウンリュウヤナギ以外はどれも同じように見えるが、種類が豊富である。写真は銀座の外堀通りの並木。
短く枝が切られているが、シダレヤナギである。このような並木は少なくなってしまったが、ここではずらり並んだヤナギの樹が楽しめる。
枝は柔らかく柔軟で編める。ツルのような弾力性は無いし、耐久性も低いが編むことができる。
樹皮はやわらかく、小さな枝からもはぐことができ、丈夫だ。写真は別の場所に生えていたシダレヤナギの枝をもらって挿し木したもの。植えてから3ヶ月ぐらいすぎている。すばらしい生命力である。
最近、同じヤナギの仲間でハコヤナギ属のギンドロという樹木の皮をむいてみた。皮はシダレヤナギほど、厚くなく、それほど繊維が強くないが、編めそうだ。中の木部は剥くと、表面が赤っぽい色に変わった。
アフリカ東部から南部、北限はサウジアラビア。(Face Musicより)実を乾燥し、中の種を残したまま、繋いで、楽器にする。男性の足に付けて踊った時に中の種がリズムを奏でる。
シラン。繊維を利用する植物ではないが、葉の根本、花序、花序の周りの苞葉の根本には繊維がある。葉自体はそれほど柔軟性が無いが、1,2日ほど乾燥させて、縄をなうことができる。特に花序と苞葉の根本の繊維は丈夫なので、葉と一緒に混ぜれば丈夫な縄ができる。耐久性は他の伝統的な繊維植物には劣るだろう。
資料:American Indian Basketry by Mason, この本にはButneria occidentalisとある。若い枝の木部と樹皮をカリフォルニアMendocino Coutryのインディアンがかごに使う。(V.K.Chesnut, 1902)
生育地:東アジア、インド、ヒマラヤなど。ミラクルツリーという。主に薬品などに利用されるが、樹皮を叩いて繊維をとり、縄を作る。
(植物名ではない) 屋根の建材に使われた竹が囲炉裏やかまどから出た煙や煤が付いたもの。飴色に変化した竹を竹かごなどの細工物に使う。
再生紙などで作られている紙バンドはクラフトテープとも呼ばれ、いろいろな色も作られている。手芸売り場でも手に入るようになった。紙バンドは昔は荷造りテープとして活躍してきたが、徐々にお米袋の口に使われるなど、用途が限られていった。しかし、最近のクラフトブームのおかげでみごとに素材として甦った。
現在紙バンドには、クラフトテープとして使われるソフトなものと通常の硬めのものがあり、2種類ぐらいの幅がある。
細い紙紐を糊で平にくっつけてテープにしているので、縞模様の柄のテープもある。
日本の紙バンドは水引きのアイデアと同じで、細い紙紐10数本を糊で合体したもの。
資料:建築家のフランク ゲーリーが段ボールで家具を作っている。
●資料:画像検索キーワード:Frank O. Gehry cardboard furniture
乾燥後、水につけて柔らかくし、縄をなう。丈夫なので弓の弦などに使う。資料:Youtube:how to make a primitive archery bowstring
たてがみ、尾の毛を使って織る篩は水嚢と呼ばれる。ロープ、漁網、篩、甑の網、衣服類、楽器、帽子、ブラシに使われる。
■資料URL:香川県立ミュージアムHP、馬毛、および馬毛網などが見れる。
http://www.pref.kagawa.lg.jp/kanzouhinkensaku/index.php/rekishi/search
繊維上の足糸線を集めて編み物に使う。 byssus clothと言われる。ヨーロッパ、エジプト、ギリシャなど。
アイヌ民族:皮の端を重ねて縫って繋げ、衣服、靴などを作る。
髭を割いてコイリングの巻き材、芯材にする。底中央を他の材を使い、穴をあけた縁に細くした髭を通してコイリングを始める。(アラスカ エスキモー)